ポイント交換サイトの「ネットマイル」というサイトで貯めているポイント(マイル)が交換できないという話がSNS上で話題になっています。
ネットマイルはポイント交換サイトという他社で貯めたポイントを別のポイントなどに交換できるサービスを行っています。また、ポイントサイトとして「すぐたま」というサイトも運営しています。
こちらで、12月に入り、ネットマイルのポイント(マイル)が他社のポイントなどに交換できない(在庫切れ)という状況が続いています。
※アイキャッチとしているのはAmazonギフト券との交換画面。
また、1月末にはPontaポイント、ドットマネーへの交換終了を発表……。うーん。怖いなぁ。
ポイントサイトに限らず、ポイントには法的な保障はない
ポイントプログラムは今や色々な形に進化しています。ポイントで買い物ができたり、ポイントで投資までできたりと、「ポイント≒現金」という形に近づいています。
一方で、ポイントというものには法的な保障や保護の仕組みはありません。
約款がある場合でも、ポイントの利用条件については、その企業が任意に内容の変更や廃止をすることができるというような記載をしているケースが多いです。
債権債務の関係もないため、ポイント発行企業が倒産した場合の補償はありません。一度JALが倒産した際、JALのポイントであるJALマイルも消失するかも!!と話題になりました。結局は新生JALがマイル残高を補償したものの、強行しようとすればマイルを消失させることも可能だったわけです。つまり、ポイントというものは極めて不安定な立場にあるわけです。
引用元:ポイント投資のリスク・デメリット
というように、ポイントというのは極めて弱い立場にある制度なんですね。
ネットマイルのポイント(マイル)の交換ができなくなる?
で、表題の通り多くのポイントとの交換ができません。
- 楽天銀行:〇
- 住信SBIネット銀行:〇
- ゆうちょ銀行:〇
- 三井住友銀行:〇
- 三菱UFJ銀行:〇
- みずほ銀行:〇
- nimocaポイント:〇
- ANAマイル:〇
- JALマイル:〇
- アメリカン航空マイル:〇
- キャセイパシフィック航空マイル:〇
- ANAスカイコイン:〇
- ちょコムeマネー:〇
- Webマネー:〇
- 楽天Edy:×
- リクルートポイント:×
- LINEポイント:×
- Amazonギフト券:×
- nanacoポイント:×
- Gポイント:×
- スターバックスカード:×
- クオカードPay:×
- Kyash:×
- Vプリカ:×
- GooglePlayギフトコード:×
- AppStoreコード:×
- 一休ドットコム割引クーポン:×
※2019年12月17日13時現在
こんな感じです。銀行振込やマイルは生きていますが、その他のポイント系やギフトコード、ギフトカード類はダメって感じになっていますね。
OKとなっている交換先についても、月間の交換上限が設定されていたりします。たとえば、銀行振込は1行あたり3万マイル(1.5万円相当)が上限です。
また、1日の交換も3万マイルまでの上限があるようなので、3万マイル以上の残高がある人は2日以上に分けて交換する必要がありそうです。
2019年12月17日公式のアナウンス
以下のように公式からのアナウンスもあります。とりあえず、2,3日待ってくれという内容ですが、どうでしょうか。
平素はネットマイルをご利用いただきまして誠にありがとうございます。
一部特典交換先において、在庫切れ表示がされている件につきまして、お客様にはご不便をおかけし誠に申し訳ございません。
不正マイル取得による特典交換が多発しており、対策の一環として、在庫制にて交換管理をしておりましたが、通常の交換が増加している関係で在庫切れが発生しております。
特典在庫については随時追加してまいりますので、大変お手数ではございますが、2~3日空けてご確認いただくか、他の特典交換をご検討ください。
ネットマイルの現状はわかりません。
同社のアナウンスを全面的に信用するとすれば、不正利用ユーザー(不正に獲得されたマイル)があって、その対応のため、一時的に交換を制限したという話かもしれません。
(追記:2019年12月18日)
特典在庫については追加予定を各特典にて表示するよう変更いたしました。 引き続き本件の不正対応策については社内協議を進めており、順次対応してまいります。 なお、一部SNSで挙げられている経営不振による交換制限の事実は一切ございませんので、引き続きご安心してご利用ください。
私も確認しましたが、金曜日に在庫が追加されるというものが多そうです。
(追記:2019年12月20日)
どうやら在庫が追加されたようですが、ドットマネーは再び在庫切れ
週末金曜日に追加という方向性のようなので、争奪戦になるかもですね。他のポイントも時間がたつと在庫切れになりました。
ただ、「現金(銀行振込)」が断たれているわけではないのは安心材料かと思います。
ネットマイル定期預金のようなサービス開始も裏目
2019年12月にはネットマイルは「ネットマイル定期預金」というネットマイル(ポイント)を預けっぱなしにすることで年利1.5%相当のポイント還元が受けられるサービスを始めており、2000万マイル(約1000万円相当)を募集しています。
こうしたサービスを始めて、ネットマイルを引き出せないようにした。という事実も、ネットマイル危ないんじゃない??という不安を駆り立てるわけです。
ポイントの取り付け騒ぎが起こる可能性
今回の問題、経営不振ではないということですが、事前にアナウンスもなく、交換が制限されたという事実が問題だったわけです。
銀行界隈において「取り付け騒ぎ」という言葉があります。
取り付け騒ぎ(とりつけさわぎ)とは、銀行などの金融機関や金融制度に対する不安などがおこり、預金者が自分が預けている預貯金等を取り戻そうとして金融機関に集まり混乱を起こす現象のことを指す。個別の銀行の経営不振説といった不確かな情報でも起こることがある。
引用元:取り付け騒ぎ
こうした取り付け騒ぎが起こると、経営には深刻なダメージが生じることになります。
ネットマイルに限らず、ポイント交換サイトは「自社内に滞留しているポイント」が大きな強みとなっています。
財務的には「債務」ですが、ポイント交換されない限りは実際にキャッシュアウトすることはありません。一方で、こうした不安が大きくなると、なによりもまず、ポイント交換を選択するはずです。
結果として会社の資金繰りは大幅に悪化します。
不信感が高まることで、結果として本当に会社が倒産することだってあり得るわけです。
ネットマイルにつきましては、早急に信頼回復に努めていただきたいところです。
ポイントサイト(ポイント交換サイト)の中でも長い歴史と運営歴を持つサイトなのですから、不安が杞憂で終わることを祈ります。